功名が辻〈4〉 (文春文庫)



功名が辻〈4〉 (文春文庫)
功名が辻〈4〉 (文春文庫)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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5★世界史的にみて一豊サマってどうよ?

部下は策を進言した。
「しかし、人には獣にない勇気がござる。されば勇ある者は智すくなし」

千代は一豊をいさめた。
「しかし、獣には言語がありませぬ。わなを作って人を殺せば、
そのことが伝説になり子々孫々にまで伝わるでしょう」

千代の質問術や、千代の人間に対する洞察には心服する。
しかし我々後世の日本人は、以下の史実も同時に知っておくべきだ。

20世紀初頭、フィリピン独立の約束を反故にした米軍は、
抵抗したゲリラ軍を徹底弾圧した。10歳以上の男子すべて逮捕・殺害。
かねてからアギナルドは、文書による独立保証の要求をしていたが…
米軍は功名にも×…巧妙にも、無視し続けていた。確信犯だった。

台湾には「犬が去って豚が来た」という言葉がある。
二・二八事件…日本軍撤退後、代わりに統治に来た国民党軍は、
同族の台湾住民を虐殺した。数万人規模で処刑された。弾圧の発端は、
「勝手にタバコ売るな」だった。豚は、犬がこしらえた蛇口すら知らない獣だった。

一豊は部下をいさめた。
「千人は多すぎる、二、三十人にまで絞るように」
けっきょく梟首台には70いくつが並んだ。僕は一豊の功名を否定しない。
PS●同著『人間というもの』PHP で冒頭の千代の名言を目にした。
瞠目した。それがこの本に出会った発端だった。たしか僕は、孟獲と孔明の
ちがいをこう教わった。智なし度胸を蛮勇、智ある度胸を勇気と呼ぶ。
たとえば暴走族と消防士の度胸は、やっぱり違うよね。

大河ドラマ観とけばよかった。

 NHKの大河ドラマを見とけばよかった。そう思った。いったい仲間由紀江が演じた「千代」はどんなだったのか。。。
 しかし戦国時代にこんな武将がいたとは、非常に興味深い。
 一番印象に残ったシーン。関が原を最後の合戦として、格別の決意を持って向かっていく山内一豊が少しかっこいい。興奮させられる。
 この子孫が山内容堂。そう思うと当たり前ながら歴史は昔から今につながっているのだな、と改めて思う。
千代と一豊の山内家はどんな完成をみたか?

いよいよ最終巻。
関ヶ原の合戦直後から、一豊の死去までを描かれています。
土佐に入国してから、土佐郷士との争いは血なまぐさく読んでいて気分の良いものではありません。千代にとっては、一豊と築いてきた山内家の皮肉な完成を見ることになりますが、それは読んでのお楽しみということで。
功名が辻

NHK大河ドラマは何年ぶりかで毎週欠かさず見ています。
戦国物が好きで録画して時間があれば何回も見直しています。
その原作本として読みたくなり全巻をテレビの場面を思い出しながら2回読み終わりました。
 千代と一豊との夫婦愛と夫を出世させるサクセスストーリーですが、夫婦となってから凡庸な夫が土佐24万石の国主に成り上がるまでで、小説はト書的な文章もあるので千代の心の動きがよく判ります。
 テレビはその点を演技なりセリフで表現しなければならず消化不足な点も有りますので、小説は良く判りテレビを見る上で助かるし楽しませてくれます。
 

本は最高、ドラマは最低!

 この「功名が辻」の魅力は、戦国時代を舞台にしているのに血なまぐささや荒々しさがまったく感じられないところ。戦時の中の平時を描き出しているようなところがいいですね。大河ドラマでもそんな雰囲気を醸し出していますが、信長や秀吉の原作に出てこないエピソード(たとえば延暦寺焼き討ち)が多すぎて見るのをやめてしまいました。一豊と千代の生き様を追いかけているだけでも十分ドラマとして成立するはずなのですが。
 しかし、この完結の巻で忠義だけがとりえの一豊が、姑息で残忍な領主に変貌してしまいます。そのときの千代の悲しみ、憤りにはすごく共感しました。「一国一城の主」とは聞こえがいいけど、身の丈に合わない出世はしないほうが身のためかな。ところで、本当にあの虐殺事件はドラマでは放送されないのでしょうか。山内家の土佐統治においてとても重要な事件なのですが。だとしたらドラマ版の「功名が辻」はインチキです。作品のよさを知るなら、本を読むことをお勧めします。



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